27歳の吉沢亮が「91歳の渋沢栄一」を演じる難しさ…NHK大河「青天を衝け」大詰めの見どころ
これまでもたびたび登場した貧民救済施設「東京養育院」の院長を死ぬまで務め、いまも東京都健康長寿医療センター(東京・板橋)として残っている。生活保護法の基となった救護法を実行させるために、大蔵大臣に直談判し、天皇にも“直訴”して、第1回日本ダービーなど競馬の利益を予算に回させたり、日本赤十字の設立にも尽力した。
「ドラマの演出にあたる黒崎博は『太陽の子』でも『ひよっこ』でも、登場人物たちが絆を深め、新たな希望に向かって歩き出すエンディングにしています。『青天を衝け』では、死の床の渋沢に“手を結べ、みんな。幸せになるために”と語らせます」(前出のNHK関係者)
なるほど、500余の会社を起こした大金持ちというだけで新1万円札の顔になったわけではないよ、というメッセージで今年の大河ドラマは終わるらしい。
最終話に向けて、もうひとつの見どころは吉沢亮の老けぶりである。なにしろ、大河史上最高齢の主人公を演じるのだ。いまでも役の上では60歳を過ぎているのだが、ツルンとしてリアリティーがない。これがあと3話で30歳年を取り、白髪のヒゲを汚らしく伸ばし、顔はしわだらけ、歩くのもおぼつかず、言語不明瞭の老人になれるのかどうか。