その昔、俺の愛車は芸能界で最強のバキュームカーだったのだ
「〇千万円のポルシェって言ったって、たとえば、東京都内に数百台くらいは走ってるわけじゃん。結局、みんなと同じもの乗ってるってつまんないよな~! そー思わないか、水道橋?」と当時、俺の付き人で、四六時中行動をともにしていた浅草キッドの水道橋博士に語りかける俺だったのだ。
そして、俺が次に発した言葉は「水道橋、俺決めたよ! 愛車を芸能界で誰も乗っていないウ〇コを運ぶくみ取り車、バキュームカーにするから!! テレビ局の入り口でスタッフが俺を待っている。そこに水道橋が運転するバキュームカーがピタリと着く。すると俺はあのウ〇コがたっぷりと入っていたタンクの上のハッチ(?)から、おはようございます! と登場するんだよ!! な、カッコいいよなー!! ということで水道橋、ただちにバキュームカーを探してくれ~。ただし新車じゃダメだぞ。もう長年使った廃車寸前くらいのっていうか、もちろんキレイに洗って除菌はするけど、見た目プンプンと臭いそうな、ハエが錯覚してプ~ンと近づいてきそうな、そーいうの頼むよ!!」。
真剣にそれを実行しようとしていた俺も俺だと振り返れば思うけど、数日後「見つかりました! 都の払い下げで100万円くらいで買えるそーです!」とキッチリ探してくる水道橋のフットワークも大拍手ものだったのだ。
そして、その流れで買い入れ、芸能界初のバキュームカーが愛車のタレントになるはずだったのだが……当時、時代はバブルで普通車の駐車場が屋根付きだと1台で10万円したのだ。バキュームカーだと30万円以上ということで、泣く泣く断念したのでありました……。 (つづく)