ヒコロヒーは「昭和の芸人」の雰囲気を漂わせる職人肌の2番打者
昨年4月に始まった初の冠番組「キョコロヒー」(テレビ朝日系)では、日向坂46の齊藤京子と共演している。テレビのお約束的ななれ合いを拒否して微妙な距離を保つ2人が、終始低いテンションで平熱のトークを展開するのが見どころだ。
テレビの仕事以外でも、エッセーを執筆したり、描き下ろしアートをデザインしたファッションブランドとのコラボ商品がリリースされたり、独自のセンスを生かして多方面で活躍している。
彼女が作るネタには偏見や皮肉っぽい物の見方が垣間見えるものが多い。自分の中に明確な価値基準があり、あらゆる表現がそれを軸にして展開される。だからこそ、ヒコロヒーの芸には揺るぎない一貫性があり、どんな分野の仕事をしていても見せる顔が変わらないのだ。
最近テレビに出始めた芸人であるにもかかわらず、妙に落ち着いていて無理に前に出ようとはしない。その代わり、話を振られたら的確なコメントを返してきっちり笑いを取る。野球でたとえるなら、ヒコロヒーは状況に応じてチームバッティングができる職人肌の2番打者。こんな逸材がテレビ業界で引っ張りだこになるのは当然だ。