<150>ドン・ファンの流儀 初対面の県議にデートの仲介を要請
■恥も外聞もない流儀
初めて会った議員にでも女性の紹介をお願いするのはまさしくドン・ファンの流儀である。若い女性と付き合えるとなれば、恥も外聞もないのだ。
ドン・ファンが亡くなった翌日の5月25日に早貴被告や木下さんから事情を聴いた私は、田辺のドン・ファン宅から尾崎さんに電話をして説明をした。
「もしかすると殺されましたよ」
「エエッ! 本当ですか」
電話の向こうから悲鳴のような声が上がった。
「死後硬直の時間に整合性がないんです」
「……そうなんですか。もし事件になったら驚天動地の大騒動になりますね」
「その可能性は大ですが、まだ亡くなったのも知られていない状況ですから、ボクの周りの者しか知りません」
「分かりました。ちょうど明日、田辺市で亡くなった県議の通夜があるので、その後に会いましょう」