滑舌が悪くて真田幸村が「さらだゆきむら」に聞こえる(笑)
私はその新作を聴いている。若い娘が着慣れない和服姿で仲居になって、失敗ばかりする姿が演者と重なり、大いに笑ったものだ。
「ちょうど三遊亭円丈師匠が<応用落語の会>を始めた時期で、『出ないか』と誘ってくださったんです。そこで、熟女のバスガイドを主人公にした『幸せの黄色い旗』という新作をやったら、信じられないほど受けました。お客さまは、講談師が演じる新作落語として聴いてくれたんですね。講談の会で新作をやると、常連のお爺さんたちが苦虫をかみ潰したような顔をして、まったく受けなかったのに」 (つづく)
(聞き手・吉川潮)