旧統一教会が現在も生き残っている理由 35年前には筑紫哲也の「朝日ジャーナル」が徹底追及
国葬よりも、安倍家3代の解明が急務だ
岸田がやるべきは、国葬よりも安倍家3代と教団の闇を徹底解明することだが、安倍晋三の亡霊に操られているがごとき岸田では、できるはずはない。
この問題に腰が引けているNHKやフジテレビは論外だが、新聞、週刊誌も大きなことは言えない。福田達夫なるアホ政治家が統一教会について「何が問題か分からない」と、ふざけたことをほざいたが、彼らを統一教会「痴呆症」にしたのはメディアの責任が大きい。
悪名高い霊感商法の実態をいち早く取り上げ、誌面で大キャンペーンを張ったのが、朝日新聞社が出していた週刊誌「朝日ジャーナル」だった。ちなみに霊感商法と名付けたのもここ。編集長は筑紫哲也。「豊田商事をしのぐ冷血の手口 霊感商法の巨大な被害」(1986年12月5日号)を手始めに徹底追及したのである。
同誌は、北九州市に住むB子(60)の被害額が当時の金額で3700万円にもなったと報じている。夫が非業の死を遂げたB子に、息子の命も危ないと脅し、印鑑、多宝塔、朝鮮人参などを次々に買わせた。他人の不幸に付け込む悪徳商法の典型である。
大きな話題になり、ほかのメディアも追随した。その後、桜田淳子らが合同結婚式に参加するなど、統一教会に注目が集まったが、その後、1995年にオウム事件が起きると、メディアの関心は統一教会から離れてしまった。その間、教団名を変え、関係団体をいくつもつくり、統一教会は生き延びてきた。メディアは今度こそ騒動を一過性で終わらせず、根絶するまで追及しないと、再び同じ悲劇が繰り返される。
他人の不幸に付け込み、何十倍もの値段で壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊するカルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべきである。(文中敬称略)
(「週刊現代」「フライデー」元編集長・元木昌彦)