映画「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」は上映3時間超&2900円の価値アリ? 記者がルポ
■まるでアトラクション
新宿バルト9の「3D」「字幕」を選んだ。50割引もやっている。チケットは1900円が500円割引となり、1人1400円。ただし、3D料金400円が加算となり、計3600円である。ネット予約した座席に座り、入り口で貸し出された3Dメガネをつける。上映スタートから、奥行きの深い3D映像に引き込まれた。人造生命体アバターとなって、原生林のひろがる惑星パンドラへと入り込んだ元海兵隊員は先住民族ナヴィの女性戦士と結婚、4人の子どもに恵まれている。物語を追うというより、アトラクションに近いか。圧巻は海でのシーン。波のしぶき、泡やうねり、光のきらめきまで見事に表現されているのだ。
戦闘シーンでは鯨をイメージさせる海洋生物を「日浦」と漢字の描かれた巨大な銃器で敵が弾丸を撃ちこむ。引き金をひくのは米軍を彷彿とさせる敵の中でなぜか東洋人の女性で、なるほどネットで話題になっているのがうなずけた。
ナヴィの海の部族のリーダーが反撃ののろしを上げるシーンで、舌を出すのはラグビーの強豪ニュージーランドの試合前の踊り「ハカ」を思い浮かべた。調べたところ、演じた俳優がマオリ族なのであった。CGであれ、演じているのは生身の俳優で、14歳の少女には「エイリアン」などのシガニー・ウィーバーが扮していた。「タイタニック」を思い出させるようなところもあり、3時間超の作中にはいろんな仕掛けがあるようだ。
エンドロールで席を立ち、街へと出ると、すでに日が沈み、夜の賑わいに変わっていた。
(長昭彦/日刊ゲンダイ)