ジャニーズ事務所と自民党の共通項は、メディアを掌握し、批判を徹底的に抑圧したこと
ジャニーズ事務所創業者で前社長のジャニー喜多川(2019年死去)による児童虐待事件が注目を集めている。今年3月にイギリスの公共放送「BBC」が邦題「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」と題するドキュメンタリーを放送。4月には日本外国特派員協会で、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏が記者会見を開き、未成年のときにジャニーから15回から20回の性被害を受けたことを告発した。また、ジャニーのマンションに泊まった100人から200人のほぼ全員が性被害を受けているはずとの見解も示している。
告発者に共通するのは無力感だ。日本テレビ系「真相報道バンキシャ!」では元ジャニーズJr.の二本樹顕理氏が性被害について「一個人は声を上げたところでどうにもならない」と苦しんでいたと告白。
1999年、「週刊文春」がこの問題を取り上げると、ジャニーと事務所は文芸春秋に名誉毀損の損害賠償を求めて提訴。その後、ジャニーのセクハラ行為を認めた東京高裁判決が2004年の上告棄却により確定する。
それにもかかわらず、ジャニーの性犯罪が野放しになってきた理由は、ジャニーズ事務所がメディアを掌握していたからだろう。ジャニーズのタレントを使えなくなるのを恐れたメディアは、過剰に忖度を行っていたのだと思う。