浜辺美波の“すえちゃん”「らんまん」での主人公を食う大活躍にNHK朝ドラファンが大喝采
ラストスパートも快調
ただ、そんな寿恵ちゃんのこれからが心配なのだ。金策、家事、料理屋の女将、図鑑出版の手伝いと働きづめで、13人も子供を産んで7人(6人は死去)を育てた。ドラマではまだ20代で元気だが、負担は大きいはず。
実際、55歳と早くに亡くなる。苦労がようやく報われ、牧野が東京帝国大学から理学博士を授与された翌年だった。
「さすがに牧野は落胆し、新種の笹をスエコザサと名付けます。ドラマはこのあたりまでを描くのでしょうかね」(前出の放送作家)
ところで、牧野の収入はどのくらいだったのか。ドラマではようやく東京大の助手になるが、月給は15円で、いまの貨幣価値では約9万円。そのころ長屋暮らしの生計は月6万数千円というから、食べていけないことはなかったが、書籍代や採集のための旅費など、研究経費はすべて自腹。植物学教室はブラック職場だったのである。
(コラムニスト・海原かみな)