KOC第16代王者のサルゴリラは“おじさんパワー”で激戦を制した…ラリー遠田氏が解説
今年は確かに決勝前から激戦と言われていたが、フタを開けてみれば、手だれのコント師たちをねじ伏せて、「過去最高得点」で優勝したのは、サルゴリラだった。
「サルゴリラは、東京吉本所属で、もともとはジューシーズというトリオでした。パンサーとジャングルポケットと、『333 トリオさん』という番組にも出演していました。当時からネタは面白かったのですが、パンサー、ジャングルポケットのようなブレークには至らず、その後、1人抜けて2016年からコンビで再出発した苦労人です」(前出の遠田氏)
ネタ前の紹介映像では、ふたりは同大会の「ファイナリスト史上最高年齢」。幼稚園の時からの幼馴染みで、「出会って40年一緒にいたんだろうなっていうのが伝われば」(赤羽)、「40代後半になってこの大会に出るのはキツいんで」(児玉)と話していた。ちなみにキングオブコントは、「M-1グランプリ」などと違って芸歴による出場制限はない。
■ファイナリスト最年長の円熟味
「1本目のマジシャンのネタも2本目のサカナを連呼する監督のネタも、若い人がやるよりも、児玉さんくらいのちょっとオジサンがやるほうがいい感じの味が出る役柄です。トボけていて、ズレた感じの役でリアリティーも出ますからね。さらにふたりとも、長い経験で培われた間合いとか表情とかの演技力は抜群で、審査員の人もそれがわかるから高評価を出したのだと思います。さらにネタの面白さ、演技力に加えて、若手のように、勢いで声を張るばかりではなく、年齢を重ねたベテランならではの、オジサンの味というか、円熟味が出ていたと思いますね」(前出の遠田氏)
オジサンの円熟味で勝利の女神を引き寄せ、見事コントの頂点に立った。