村雨辰剛さんが語る愛猫メちゃんとの日々「ともに自立して生きている 距離感が心地よい」
僕が仕事から帰ると、三毛猫の「芽吹き」、メちゃんが出迎えてくれます。「にゃあん」と鳴いて僕の胸に飛び込んでくる。廊下を歩くとついてくるし、部屋に入ってもそばを離れない。「もう、あっち行っていいよ」と僕が言っても、メちゃんは僕を目で追っているんです。
そう言うとメちゃんはとんでもなく甘えっ子のように聞こえるかもしれないけれど、僕が留守の間はひとりでちゃんと過ごしています。古い家なので虫が入ってくるのですが、メちゃんは優秀なハンターで、虫を狩る姿には野生があります。僕も、家に残してきたメちゃんの心配はなく仕事に励む。僕たちはそれぞれ自立して生きていて、2人揃ったときに共通の時間を楽しむんです。
僕が生まれ育ったスウェーデン南部の小さな田舎町では、家に馬や豚やウサギや犬などたくさんの動物が一緒に暮らしていました。普通に猫もいて、だから僕にとっては猫もどんな動物も一緒。日本ではよく犬派か猫派かと聞きますが、比べる感覚が僕にはわかりません。動物はみな、共存しているものだと思うから。ただ、猫は単独で暮らすのが上手な動物なので、1人暮らしの今の僕の生活に合っているんです。