著書「Coming OUT!」でLGBT明かした 元「東京少年」笹野みちるさんは障害者福祉施設勤務
■施設で働きながら、音楽活動も並行
現在は、某区にある障害者福祉施設で正社員として働いているという。
「05年に、ある人に誘われ、赤坂のカフェでシェフとして働き始め、人生で初めて調理ができるようになったのに、07年に閉店となり、これからどうしよう……と半泣き状態のときに、カフェのお客さんが誘ってくれました。で、真面目に働いてたら45歳で常勤にしていただけて、今は週5日、電車通勤です。45歳で社会人デビューしました(笑)」
それにしても福祉とは、音楽とずいぶん遠い業界。ハードワークとも聞く。
「私が働いているのは、寝たきりや車椅子など重度の知的・身体的障害者や胃ろうなどの医療的ケアが必要な方が通ってこられる施設。計画書を作成し保護者会でプレゼンするような業務のほか、現場で食事や排泄の介助もしますし、一緒に散歩したり、歌を歌ったりも。生産性や効率とは無縁の世界。だからこその気づきや学びがあり、今ここに一緒にいる意味、面白さやありがたさを実感するんです。働き方改革が進み、人員配置は手厚く、給料も悪くない。週休2日で代休も取れますよ」