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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

【追悼】いしだあゆみさんは「よろめかせたい女優」だった

公開日: 更新日:

 テレビドラマも「七人の孫」や「冬の運動会」「阿修羅のごとく」「氷点」「金曜日の妻たちへ」など挙げればキリがない。とくに社会現象となった「金妻Ⅲ 恋におちて」では親友の夫(古谷一行)を奪うといういかにも主婦に反感を買いそうな役柄だが、いしだが演じることで魅力あるキャラクターとして昇華された。この時の出演者もまた随分と大人に見えた。

「北の国から」では黒板五郎(田中邦衛)の妻・令子を演じた。令子は家を出るが、別れる原因は令子の不倫だった。

 その昔、不倫ドラマはよろめきドラマと呼ばれたが、「不倫が似合う」というよりは「よろめかせたい女優」だった。

 彼女の毅然とした面を見たのは夫・萩原健一との離婚会見の時。大麻不法所持や人身事故などやらかし屋のショーケンと離婚の際、一人で会見を行い、夫を責めることなく「家庭をおろそかにして主婦失格です」と毅然と話し、男前な一面も見せた。

 訃報の翌18日「徹子の部屋」では2011年に出演した際、鎌倉の一軒家から東京の1LDKに引っ越して断捨離、食器は皿1枚、コーヒーカップだけと語った。自分の物はすべて処分しても母親の遺品は全部残しているとも語った。最愛の母親が亡くなった際には「もし(私に)最大のプレゼントをしてくれるなら……お母ちゃんとしゃべりたいです」と涙した。

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