本当に「ファミリー」なら最後は収まるところに収まるはず
同情すべき点があるとすれば、松本人志に迫られる形で急きょ開いた会見は、「覚悟も含めて準備不足」(千原ジュニア)であり、かつさまざまな方面に気を使わなければならなかったことだ。松本や明石家さんまといった大物の圧に加え、狂犬・加藤や近藤春菜、友近といった芸人からも経営陣批判が噴出。契約解除を撤回した宮迫や亮を強くは責められず、その宮迫らの会見で暴露された疑惑に答えなければならなかった。そのうえで株主や取引先に配慮しつつ会社を守るというのは、なかなかに困難なミッションである。
松本と大崎会長の関係からも現経営陣が芸人への敬意を欠いているとは思わない。それでもここまでの混乱を招いてしまった以上、芸人たちとの関係を見直し、世間の理解を得ることは急務。規模を縮小するのなら別だが、そのうえで社内体制を整備しつつ現在の多岐にわたるビジネスを進めていくのは、芸人の機微を知り尽くし業界にも精通した現経営陣にしかできない仕事だろう。
救いは連日コメントを求めて詰めかける報道陣に対して、芸人たちが大喜利状態で笑いを取り始めていることだ。本当に実体のある「ファミリー」だったなら、どれだけ激しい喧嘩をしても最後は収まるところに収まるはずである。
=おわり
(ライター・常松裕明)