榊英雄監督と木下ほうかの性強要問題を告発した女性の勇気 裏取引のような時代は終わった
似た経験のある告発者が何人もいれば、ビートたけしの往年のギャグ「赤信号、みんなで渡れば怖くない」の人間心理が働く。「私も被害に遭った」と告発者は続きやすい。今後、さらなる告発者が出てくる可能性もある。
今回の告白で改めて注目された性の強要。俗にいう「枕営業」とは異なる卑劣なやり方はあまり聞かない。本来、キャスティング力のあるプロデューサーや主演クラスの俳優との間で暗黙の合意があって成立するといわれる。古き良き時代。ある映画プロデューサーに話を振ったことがあった。
「俺はなにもしてないよ。俺が寝ていると勝手に布団に入ってくるんだよ」と笑いながら答えた。
2人の間だけの暗黙の了承事項。誰も口外することもなければ、誰も責められることもない。後で問題になることもない。榊監督と木下が続けて告白されたのには理由がある。
「女性にとって屈辱的なことをされたのに女優の仕事は回ってこない。監督は映画を作り俳優としても活動。木下もドラマに、散歩番組では良きオジサンを演出している。“許せない”と化けの皮を剥がしたくなるのも道理です」(映画関係者)