目標値はそれぞれ コレステロール値は一律で下げなくていい

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 コレステロールへの考え方が変わってきた背景には、いくつもの研究結果がある。特に有名なのは3つの研究だ。

「ヘルシンキの『ビジネスマン研究』では、心疾患の危険因子を持った会社役員を2群に分け、一方の群は最初の5年間降圧薬、高脂血症薬を服用してもらい、食事介入を15年間続けました。もう一方の群は、特に何も行いませんでした。すると、研究を開始して10年目ではどちらの総コレステロールも差が出ず、15年目には、薬を飲み、食事介入を行った群は、心疾患死亡率が2.4倍、総死亡率が1.4倍高かったのです」
 伊勢原市民を8年間追跡調査した結果でも、総死亡率が最も低かったのは男性でLDLコレステロール140~159、女性で120~130。茨城県民を10年間追跡調査した結果では、LDLコレステロール80~140のうち、数値が高いほど死亡率は低かった。

「コレステロールは細胞膜の構成要素です。コレステロールが低いと、細胞膜が脆弱(ぜいじゃく)な細胞になる。それが病気の発症率の高さに関係していると考えられています」

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