50代以上の半数がかかる「前立腺肥大症」は手術で治る
「膀胱結石などを合併している、前立腺がんがある、などの場合は大掛かりな開腹手術になりますが、最初に検討するのはこの手術法です。日本では2000年前半に導入され、果物の実を皮からはがすように切除します。取り残しが少ないのが特徴です。いま最も普及している、電気メスで何度も切除するTURP(経尿道的前立腺切除術)に比べ出血が少なく、100グラムを超える大きな肥大にも対応できます」
しかも、再発率がTURPに比べて半分程度だという。
■射精機能を残す方法も
その効果はテキメンだ。ある60代の男性Aさんは前立腺肥大による典型的な頻尿で、夜間は3回以上、昼間は1時間おきにトイレに立つため、寝不足に陥り、仕事にも支障が出ていた。
ところがHoLEP手術を受けた後、頻尿はピタリと止まり、700ミリリットルあった残尿(膀胱にたまっていた尿)が放出されてゼロに。体全体のむくみも取れ、体重も1週間で1.5キロ程度痩せた。
「手術前は尿漏れもひどく、トイレに立つたびに下着を濡らしていましたが、手術後はそれもなくなりました。長時間の会議でも尿意がなく安心です。体がむくんでいたせいか、階段で息切れすることもありましたが、それもなくなりました」(Aさん)