ノックアウト型増加 「脳梗塞で突然死」防ぐ水分と心電図
■夜間の脱水症状も影響する
では、この恐ろしい脳梗塞は、どんなタイプの人に起きやすいのだろうか?
「突然、動悸(どうき)や息切れがしたり、意識がフッと遠のいたりする人は要注意です。一般的な不整脈なら問題ありませんが、心房が細かく震えることによって起こる不整脈は心房細動といい、非常に危険です。ノックアウト型脳梗塞の3分の2が心房細動が原因だからです。心臓の中で血液がよどみ、血の塊ができて、それが脳に飛び、脳細胞に大きな損傷を与えるのです」
それでも、まれにある心房細動ならまだいいが、常に起きている持続性心房細動だと、死のリスクはいよいよ高まることになる。
「単なる心房細動だけならそれほど心配ないですが、これに高齢、糖尿病、高血圧、心不全や心臓血管病が加わると、心原性脳塞栓症のリスクが非常に高くなることが欧米の研究により分かっています」
では、ノックアウト型脳梗塞を防ぐにはどうすればいいのか?
「心房細動が生じる不整脈をキャッチすることが最も重要です。それには、心電図を取ったり脈を診ることです。発作性心房細動は24時間モニターするホルター心電図でも見つけにくいことがありますが、持続性は一般的な心電図で、発作性は動悸時の脈拍を診ることで簡単にわかります」