白内障手術で重要…黒目の“ポンプ細胞”の数は足りているか

公開日: 更新日:

 問題は、この細胞は一度死ぬと二度と再生せず、どんどん数が減っていくことだ。

「1平方ミリ内に2500~3000個が普通ですが、一定の数(800個程度)以下になると角膜を透明に保つことができずに、白く濁ってくる。そうなると、亡くなった人の健康な角膜を使う角膜移植を選択するほかなくなります。また、角膜内皮細胞の数が少なすぎると、手術のダメージでさらに数が減るため、“白内障手術は難しい”ということになるのです」(清水主任教授)

 加齢による角膜内皮細胞の減少は年間0・5%程度。問題はそれ以外の原因だ。

「ひとつはコンタクトレンズの長期使用です。最近のコンタクトの酸素透過性は以前に比べて優れているといわれています。しかし、角膜表面が酸素不足になることは免れません。そのため、長期間使用で、一番内側の角膜内皮細胞が大きく損なわれる恐れがあるのです」(清水主任教授)

 また、緑内障のレーザー手術に代表される目の手術もまた、角膜内皮細胞減少の原因となる。

「高い眼圧により視神経が圧迫され、視野が欠けるなどの視神経障害を起こす病気が緑内障です。最悪、失明に至るこの病気は、①房水の排出口である線維柱帯の目詰まり、②黒目の周りの色のついた部分(虹彩)と角膜との間が狭くなって房水の流れが悪くなる、などで眼圧が上昇する、と考えられています。そのため、線維柱帯や虹彩にレーザー照射する手術が行われていますが、それが角膜内皮細胞の減少に拍車をかけるのです」(都内の眼科専門医)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭