改めて知りたい コンタクトレンズが招く深刻な目の病気
レーシックの安全性が議論されている。〈自分はコンタクトレンズだから心配ない〉なんて思ったら大間違い。正しく使わないと、深刻な病気を招くことになる。
コンタクトレンズを1年間使用し続けると、1万人に5~10人が目の感染症になるという。割合としては小さく感じるかもしれないが、コンタクトレンズは日常的に長期にわたって使用するケースが多い。10年間使用し続ければ、それだけ感染症のリスクもアップする。
さらに、レンズをしっかり洗浄しないとリスクは2~3倍になり、レンズを外さないまま寝てしまうと5~10倍に跳ね上がる。コンタクトレンズ使用者のほとんどが、危険と背中合わせといってもいいだろう。
杏林大学医学部杏林アイセンターの山田昌和教授は言う。
「黒目を覆っている角膜は、カメラのレンズに相当する働きをしています。通常は涙に守られていて簡単には細菌が侵入しないようになっているのですが、角膜に傷がつくとブドウ球菌や緑膿(りょくのう)菌などの細菌が侵入しやすくなる。これに感染して炎症を起こすと角膜感染症になります。コンタクトレンズは、角膜が酸素不足になったり、ドライアイ、レンズの汚れや変形、破損など、角膜に傷をつけてしまうリスクがいくつもある。正しく使用しないと危険だという認識が必要です」