漫画家・やくみつるさん(56) 痛風・尿路結石

公開日: 更新日:

 今でも、自分の体内に石があるんです。最近は毎年、人間ドックに行っているので、あることは確認済みです。そいつが動いた時にまた例の痛みに襲われる……。いつ動くかですよね。平時ならいいけど、旅先で動かれたらたまらない。

 それが嫌だから、砕いてしまおうかとも思うのですが、医師からは「まだそれほどでもない」と言われる。いっそのこと成長してくれ! とも思うんですが、今のところずっと同じ程度で推移しています。

 ただ、自分には結石があるんだということを知っていれば、あの尋常ならざる痛みに襲われても「大騒ぎすることじゃないんだ。たまたま石が動いているだけ」と思えます。後付けの知識ではあるけど、生命に危険が及ぶまでの痛さじゃない。これは、ただ痛いだけなんだと思えば耐えられる。

 かつて「木枯し紋次郎」というテレビドラマがあって、その主題歌の歌詞に「痛みは生きているしるしだ」というのがあります。これは染みますね。

「いてぇのは生きてるからなんだ」──。そう思えばいいんですよ。

▽早稲田大学商学部を卒業後、出版社勤務を経て野球4コマ漫画の単行本でデビュー。96年に文藝春秋漫画賞を受賞した。現在はテレビのコメンテーターやエッセイストとしても活躍。好角家として日本相撲協会外部委員も務めた。

【連載】独白 愉快な“病人”たち

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」