飲み会増える春は要注意 「急性アル中」の予防策と対処法
新入社員や異動の歓迎会などで、飲酒の機会が増える季節になった。4月第1週は、花見中の人など急性アルコール中毒で救急搬送された人が都内だけで100人を超えた。最悪の場合、死亡する危険もあるだけに、対処法を知っておきたい。日本救急救命士協会の鈴木哲司会長に詳しく聞いた。
急性アルコール中毒は、短時間に多量のアルコールを摂取することで起こる。胃から吸収されたアルコールは、肝臓のアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドと酢酸に分解されるが、分解が追いつかなくなるとアルコール血中濃度が上昇していく。アルコールには脳の中枢神経を麻痺させる作用があるため、血中濃度が上がると記憶障害、平衡感覚障害、運動障害などの症状がひどくなる。
こうした症状のレベルは、アルコール血中濃度によって4つに分けられている。
①ほろ酔い(血中濃度50~100mg/dl)…全身がほてったり、顔が紅潮して陽気になる。
②酩酊(血中濃度100~250mg/dl)…判断力が低下し、千鳥足になったり、ろれつがまわらなくなる。