重篤な糖尿病発症も “子供の感染症”は大人も侮れない
この間、発熱し、頭痛や嘔吐、腹痛を訴えるケースが多い。
■無精子症も
患者の9割が15歳未満の子どもだが、大人がかかると重症化するだけに注意が必要だ。
「人によっては40度を超える高熱になることがあり、それがもとでさまざまな重い症状が出る場合もあります。小児ではほとんどない合併症ですが、精巣炎や睾丸炎により、15歳以上の男性に精子が全く作れない非閉塞性無精子症のリスクがあります。女性は卵巣炎になることも。ウイルス性髄膜炎も注意したい。脳や脊髄の周りにある保護膜が炎症を起こす病気で、おたふく風邪を発症した人の数%に起こるとされています。心筋炎、膵炎、難聴、甲状腺炎、溶血性貧血などにも気を配るべきです」
こうした合併症だけでなく、糖尿病の発症リスクをアップさせることも忘れてはならない。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・西蒲田)の辛浩基院長が言う。
「突然、膵島細胞が破壊されて、インスリンが全く出なくなる1型糖尿病は、その多くが自分で自分を攻撃する自己免疫疾患だといわれています。しかし、その中には発症前に上気道炎などの感染兆候が見られるものがある。そのため、昔からウイルスが糖尿病発症にかかわっていると疑われているのです」