会社への報告義務なし がんのため仕事を辞めてはいけない
■あえて会社に言わない選択肢も
現役サラリーマンで多いのが、「がんを会社に報告すべきか」の悩みだという。
「どう回答すればいいかは個人差があるのですが、基本的には、がんの報告義務はありません。必要があれば、それに応じた報告をする」(相談支援センター社会福祉士の宮田佳代子さん)
週の平日に何度か、抗がん剤や放射線治療に通うのなら、その都合があるので、会社にがんと報告したほうが配慮してもらいやすくなる場合もある。体力的な問題で、午後出勤がよかったり、勤務中に横になって休む可能性があるといったケースも同様。一方で、仕事に支障がなければ、あえて言わない選択もある。
がん治療のために仕事を辞めてしまった人が、新たに就職活動を行うケースも多い。病院内で、社会福祉士、社会保険労務士とともに、ハローワークを頼れる意味は非常に大きい。
「患者さんは大丈夫だと思っていても、立ち仕事が多い、手先を器用に動かすことが求められるなど、患者さんの現状の体力、抗がん剤などの影響から避けたほうがいい仕事もあります。そのアドバイスなどもします」