著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

がん検診を過小評価させる意外な理由

公開日: 更新日:

 がん検診の効果を判定するために、「検診を受けないグループ」と比較するわけですが、実はこの検診を受けないグループというのが、一般的な人たちとは異なることがしばしばあります。

 がん検診の研究に参加するような人たちは健康に対する意識が高く、一般的な人たちよりも、そもそも健康な集団である可能性が高く、一般的な検診を受けない人たちと同じように考えると、がん検診の効果を過小評価してしまうかもしれないのです。

 乳がん検診の研究に参加した人で、検診を受けないグループの人たちの乳がん死亡率は、13年間で0.43%。1年では、おおよそ0.03%というところでしょう。

■参加者は健康意識が高い

 実際に日本人全体でどれくらいの人が乳がんで亡くなっているかというと、40~44歳では10万人に対し10人、約0.01%と低めですが、50~54歳では27人(0.03%)、60~64歳では39人(0.04%)と、おおよそ、がん検診に参加した人たちと同様です。乳がん検診に参加した人は、より健康度が高い集団ではなかったことが分かります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    一部ファンが現実逃避? 中居正広“別人疑惑”再燃…「本人すでに死亡」と考える人々が現れる

  2. 2

    いまだ雲隠れ中居正広を待つ違約金地獄…スポンサーとTV局からの請求「10億円以上は確実」の衝撃

  3. 3

    フジテレビ社員たちの怒声と悲鳴…港浩一社長“自滅会見”で窮地、大手企業CM差し止め要求相次ぎ現場はパニック

  4. 4

    中居正広は松本人志の合コンに、2003年の時点で行っていた? 気になる千原ジュニアの証言

  5. 5

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  1. 6

    兵庫県百条委メンバーの前県議が死亡、ついに3人目の犠牲者…斎藤元彦県政「誹謗中傷」放置の罪深さ

  2. 7

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  3. 8

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  4. 9

    「北朝鮮みたい」…フジテレビの会見を伝える各局のニュースが“静止画”で視聴者ドン引き

  5. 10

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言