花粉症で呼吸しづらくなると心臓の負担が増大する
今年も花粉が舞い始める季節が到来しました。前回に引き続き、花粉症のお話をしましょう。
花粉症は心臓にも悪影響を与えます。ただ、花粉症を起こす要因であるアレルギー反応が、心臓に対して“悪さ”をするわけではありません。花粉症によって引き起こされるさまざまな症状が、心臓に影響するのです。
花粉症は、アレルギー反応によって副交感神経が異常亢進し、目、鼻、喉の粘膜から涙、鼻汁、痰などが異常に分泌されます。こうした症状によって呼吸がしづらくなると、心臓への負担が増大します。
人間は、鼻や口から空気を吸うことで肺の中の血液に酸素を取り入れ、動脈を通って全身に酸素を運びます。体内で酸素が使用されると、今度は血液中に二酸化炭素がたまります。その血液は静脈を通って心臓に戻り、さらに肺に流されます。そして、肺で二酸化炭素と酸素を交換し、再び動脈を通って全身に酸素を供給しているのです。
呼吸がしづらくなって、肺が十分な酸素を血液に取り込めなくなると、心臓から肺に流れる血流が制限されます。心臓は肺に血液を送るためにそれだけ大きな力が必要になり、負担が増えるのです。特に、不整脈が出やすくなります。