肺がんや結核の疑いも 止まらない初夏の空咳に潜む重大病
咳が1カ月以上も止まらないようなら咳喘息だけでなく、COPD、肺がんや結核などの重大病を疑うべきだ。
「咳喘息は気道の粘膜に炎症が起こって敏感になり、冷気や湯気といったちょっとした刺激でも激しく咳き込む病気です。咳は夜間や早朝に出やすい。放置すると気管支喘息になる可能性があります」
COPDは炎症で肺の中の肺胞が壊れていく病気。いったん壊れた肺胞は元に戻らない。
「肺がんによる空咳は、がんによる炎症が気管支や肺、横隔膜を刺激して起こり、結核の咳と同じようにゴホゴホと痰が混じった湿った咳が長く続くのが特徴です。気になる人は検査を受けた方がいいでしょう」
意外なことだが薬による空咳に苦しむ人もいる。
「血圧を下げる薬の中には、副作用として喘息のような咳が出る場合があります。薬を替えれば数日で咳が止まりますので、心当たりのある人は主治医と相談するといいでしょう」
ちなみに太った人の長引く空咳は、胃液が逆流して喉頭部まで達する逆流性食道炎であるケースも多い。
「胸焼けや酸っぱいものが込み上げてくる『呑酸』といった症状や、過食や食後に横になると咳が出るなら、逆流性食道炎を疑いましょう」
空咳が出たからといって慌てる必要はないが、“熱や倦怠感が伴う”“2週間以上続く”という場合は医師に相談することだ。