肺がんや結核の疑いも 止まらない初夏の空咳に潜む重大病
今の気温や気圧の変化に自律神経がついていけず、咳が出ることも少なくない。
「自律神経は、血管を縮小・拡張することで汗をかいたりして体温を一定にするなど、体内の恒常性を保つ働きをしています。その自律神経が目まぐるしい環境についていけなくなることで、咳やくしゃみ、鼻水を出す場合があります。風邪なら黄色のドロドロした鼻水が出ますが、この場合は透明でサラサラしています。ウイルスや細菌などが原因なら目のかゆみや充血も出ますが、それもない、熱もない、気温差が激しいときに咳やくしゃみがひどくなるというケースは、自律神経が関係する咳かもしれません」
■空咳をともなう重大病「COPD」「肺がん」「結核」
怖いのは感染症による空咳だ。中高年がお世話になっているリウマチやがんなどの薬の中には、免疫を抑制するものが多い。以前に比べて感染症にかかりやすくなっていることも気にした方がいい。
「マイコプラズマ肺炎はここ数年、夏にかけて流行が見られます。小児や若い人の肺炎で、『肺炎マイコプラズマ』と呼ばれる病原体により引き起こされます。発熱と倦怠感、頭痛が見られ、乾いた咳が出ます。飛沫感染で広がり、潜伏期間は2週間ほどです。細菌で感染する百日咳も大人の患者が増えているので注意が必要です」