肝臓がん手術なら若者は「切除」 高齢者は「ラジオ波焼灼」
40代から70代までの手術件数の合計が、新規患者数とほぼ同じか、上回っています。件数には転移がんや再発がんの分も含まれているため、このような逆転が見られるのです。
また、年齢が上がるにつれて切除術の割合が減り、ラジオ波等が増えていきます。60代ではほぼ半々、70代ではラジオ波等が逆転しています。
切除術かラジオ波かは一長一短。有効性に注目すると、5年生存率で切除術のほうが有利になっています。
日本肝癌研究会の追跡調査によれば、腫瘍数3個以下・腫瘍径3センチ以内の肝がんで、切除術の5年生存率が71.1%だったのに対し、ラジオ波は61.1%でした。
つまり切除術のほうが10ポイントも有利ということです。まだ前途のある若い患者に切除術が多く行われるのは、当然のことでしょう。
しかし高齢の患者や他の病気を持っている患者にとっては、切除術はかなり大きな負担になります。手術で逆に寿命を縮めてしまうことさえあり得ます。その点、ラジオ波は体への負担が軽く、しかも再発しても何度もできるので、安心して行うことができるのです。