夏場でも塩分の取り過ぎは危険!
7月中旬、岩手県の預かり保育の施設で、職員が乳児に食塩を混ぜた液体を飲ませ、食塩中毒で死亡させたという報道がありました。「そんなことが実際にあるのか」と驚かれた方も多いと思います。
塩分は体にとって必要なものですが、実は危険なものでもあります。大量の食塩が一気に体に入ると、血液のナトリウム濃度が上昇します。それが高度に上昇すると、体の細胞は塩をかけられたナメクジのように縮んでしまい、脳の血管が破れて脳内出血やくも膜下出血を起こすのです。
それでは、どのくらいの塩分を一気に取ると、そうした中毒を起こすのでしょうか? 一般的には子供で10グラム、大人で25グラムを超える塩分は、中毒の可能性があると考えられています。
一升ビンの醤油を飲んで自殺を図るという話が、昔はよくありました。そこには200グラムを超える食塩が含まれていますから、治療をしなければ確実に死んでしまうのです。
普通の食事で大量の塩分を取ることはまずありませんが、熱中症の多い夏場の時季には、塩の塊を予防のために使用することがあり、水分を十分に取らないで塩分だけを取ることは危険です。また、最近はやりの激辛料理には、大量の食塩が含まれていることがあり、食べ過ぎればそうした危険のある可能性もあります。夏場は塩分が不足する時季ですが、取り過ぎにも同じように注意が必要です。