大腸がん検診の「2次検査」はすぐに受けよう
がん検診にはたくさんの種類がありますが、がんによる死亡を確実に減らすような効果のある検診は、それほど多くはありません。しかし、「大腸がんの検診」は数少ない有効性の高い検診のひとつです。
現在行われている大腸がん検診は、まず便の検査をして、そこに微量の血液が検出されるかどうかを調べます。これを便潜血検査と言います。この検査で潜血反応が陽性に出た場合には、病気の可能性を疑って、2次(精密)検査としての大腸内視鏡検査(大腸ファイバー)を行うのです。
2次検査を受けてがんを発見し治療することにより、がんによる死亡は3割以上低下することが分かっています。
しかし、問題は便潜血検査が陽性でも、すぐに2次検査を受けない人が多いということです。それでは、すぐに2次検査を受けないと、どのくらいの危険があるのでしょうか? 今年の米国医師会雑誌に、この疑問についての研究結果が発表されました。
それによると、便潜血検査が陽性になってから1カ月以内に内視鏡検査を行った場合と比較して、10カ月以上経ってから検査をすると、「がんが発見される確率は2倍以上、進行したがんが見つかる確率は3倍以上も多くなる」という結果になっていました。
大腸がんは早期発見できれば治る可能性の高いがんです。皆さんも検診を受けたら、必ず2次検査を早めに受けるようにしてください。