著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

飲み合わせで予期せぬ反応も 漢方薬にも副作用がある

公開日: 更新日:

 漢方薬を健康のために飲まれている方は多いと思います。漢方薬は中国から伝わった医療ですが、日本で独自の発展をしたものです。西洋医学の薬があまり効果のないような症状に対して、効果的なことが多いという特徴があります。「エキス剤」と呼ばれる顆粒状の漢方薬は健康保険でも処方することができます。

 一般的には漢方薬は西洋薬より副作用が少ないというイメージがあります。

 しかし、漢方薬も体にとって無害ではありません。90年代に慢性肝炎に対して「小柴胡湯」という漢方薬を、インターフェロンという治療薬と一緒に使ったところ、間質性肺炎という重症の副作用が生じて、すぐに使用が中止されたことがありました。

 その原因は不明ですが、免疫を調整するような薬と漢方薬を一緒に使うことにより、予期しない反応が起こったのではないかと考えられています。

 また、こむら返りの時によく使う「芍薬甘草湯」という漢方薬には、甘草という生薬が多く含まれていて、その作用により血液のカリウムを下げ、血圧を上げるような副作用が報告されています。したがって、心臓や血圧に問題のあるような人は、気軽に飲むのは危険な場合があるのです。

 特に持病のある方は、漢方薬の副作用にも気を付けた方がよさそうです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  2. 2

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  3. 3

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 4

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  5. 5

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…

  3. 8

    日本にむしろ逆風…卓球王国中国で相次ぐトップ選手の世界ランキング離脱と進む世代交代

  4. 9

    「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた

  5. 10

    迷走するワークマン…プロ向けに回帰も業界では地位低下、業績回復には厳しい道のり