著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

習慣的な「シューティングゲーム」は脳を委縮させる

公開日: 更新日:

 スマホやゲーム機、パソコンなどを利用したビデオゲームは、もう私たちの生活に欠かせないものとなっています。それでは、ゲームをすることで脳にはどのような影響があるのでしょうか? 

 以前、「ゲーム脳」という言葉が流行したことがあり、「ゲームをやり過ぎると、脳が萎縮したり認知症のような症状が出ることがある」という指摘がされました。ただ、一口にビデオゲームといっても多くの種類があり、残酷なものもあれば、ほのぼのとしたものもあります。したがって、すべてのビデオゲームをひとまとめにすることは、あまり科学的な考え方とは言えません。

 今年の精神医学の専門誌に、「ゲームの内容やその時の脳の使い方によって、ビデオゲームの影響には違いがある」という興味深い結果が報告されました。それによると、怪物を倒すようなシューティングゲームを習慣的にプレーしていると、記憶に関わる脳の海馬という部分が萎縮しますが、知らない世界で宝物を探すようなゲームでは、それが習慣的でなければむしろ海馬の神経細胞は増加していました。

 シューティングゲームを繰り返しプレーしていると、条件反射的になって脳は海馬を利用しなくなることが多く、それがどうも萎縮の原因になるようです。ゲームが悪いのではなく、同じ脳の部分だけを使い続けるような生活が脳のバランスを乱し、その働きの低下につながるようです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動