寝ると左右に流れる人は要注意 “カエル腹”に潜む重大病
腹水とは、腹腔へ過剰に水がたまる症状を言う。内臓は腹膜という袋に包まれており、腹腔とは内臓と腹膜の間のすき間を指す。そこには常時20~50ミリリットルの水がたまっているが、病気になるとそれが過剰になる。
よく言われるのはがんだ。進行すると、お腹にがん細胞が散らばるように広がり、がん性腹膜炎を起こすことがある。
「消化器系や婦人科系の末期がんに多く見られる症状です。がん性腹膜炎になると、お腹の臓器と臓器の間に腹水がたまります」(高山院長)
お腹がぽっこり出て息苦しくなり、胃が圧迫されて食欲が落ちることもある。
「しかし、腹水がたまるのはがんに限りません。むしろ、田中さんのような肝硬変のケースも多いのです」
肝硬変とはお酒の飲み過ぎやウイルス感染などにより、肝臓に慢性肝炎が起こり、肝臓の組織が硬くなって肝機能が失われる病気。肝硬変になると肝臓でつくられ、血液中の物質移動や体液濃度の調整をするアルブミンが減少。血管から水分が流れ出て腹水がたまりやすくなる。