健康診断受診者の2割 酒を飲めない人の脂肪肝はなぜ怖い

公開日: 更新日:

脂肪肝がありますね。痩せれば消えるので、努力してくださいね」――。大酒飲みでもないのに、健康診断でこう指摘される人も多いはずだ。なかには、“それならいますぐ取り組まなくても、そのうち痩せればいいや”と高をくくっている人もいるだろうが、その考えは危険だ。酒飲みでない人の脂肪肝はなぜ怖いのか? 松尾内科クリニック(東京・桜新町)の松尾孝俊院長に聞いた。

「脂肪肝とは、過食や運動不足のために余った糖質脂質が中性脂肪に変わり、肝臓に過剰にたまって、脂肪が肝臓全体の30%以上を占めるようになった状態をいいます。軽い脂肪肝は見た目がスリムな人でも見られ、体重が2~3キロ増えただけでもたまるといわれています」

 脂肪肝は飲酒が関係する「アルコール性脂肪肝」と、飲酒が関係しない「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」によるものがある。健康診断受診者の2割が後者だといわれている。

「脂肪がたまっているだけの脂肪肝であれば食事制限や運動で正常な肝臓に戻すことはできますが、厄介なのは炎症を伴う場合(非アルコール性脂肪性肝炎=NASH)です。肝細胞に中性脂肪がたまり続けて風船化すると、細胞死が起こります。その後始末のために肝臓内の貪食細胞や血液中から単球と呼ばれるマクロファージが集まってきて炎症を起こします。と同時にこれらの貪食細胞等が炎症を起こすサイトカインを分泌させ、それが肝臓の再生とともに線維化にも関係する肝星細胞を活性化させるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース