平山みき 大腸がん闘病で「腸閉塞の予兆が分かるように」

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 といっても、盲腸と決めつけているのは私で、正式な診断は出ていません。先生からも「診察してみないと病名は分からないのですぐに来てください」と言われて、病院に行きました。血液検査と触診を受けたところ、先生から「旅行どころじゃないですよ」と言われました。先生はすぐに総合病院に連絡を入れて、翌日診察を受けられるよう予約をしてくれたのです。

 総合病院では、「大腸と小腸がつながっているあたりにポリープができている。腹痛はその炎症からくる痛みです。腫れがひいたら開腹手術をします」と告げられました。

 当時はいまのように患者本人にがんを告知することはなかった時代です。実は家族はがんだと告知されていましたが、私は知らなかった。そのため「がんじゃないよね?」と不安でいっぱいだったことを覚えています。2週間後に開腹手術を受けました。すぐに手術にならなかったのは、がん付近が炎症で腫れていたからだそうです。

 入院当初は「がんかもしれない」と不安でしたが、だんだんと「やっぱりがんなんだろうな」と思い始めていました。なので、手術が成功し、退院間近になって家族から「実は大腸がんなんだよ」と告知されたときは、それほどショックはありませんでした。入院中、何度か「がんだったら嫌だね」と家族に話したのですが、そのたびに話は続かず、すぐに別の話題に移ることが続いていました。がんでなければ、「がんじゃないよ」と言えるはずなのに、そう言わないということは……。うすうす、がんだろうと思っていたんです。

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