続々登場の「合剤」 知っておきたい知識を専門家が解説

公開日: 更新日:

「緑内障の治療は、まず薬物治療を行うのが一般的です。眼圧を下げて視神経の障害を食い止めるために点眼薬が使われます。最初は1種類から始め、十分な効果が得られなければ2種類、3種類と増やして組み合わせていくことが多い。その際、点眼薬をさす順番や点眼する間隔が重要になります。順序が変わると効果が弱まってしまうケースがあるからです。また、5分以上の間隔をあけてからささないと、2つ目、3つ目の点眼薬によって、その前の点眼薬が流されてしまうのです」

 しかし、間隔をあけて3種類の点眼薬をさすとなると、1回分で20分かかることになる。結膜炎にかかり、緑内障の点眼薬に加えて抗菌やステロイドの点眼薬が処方され、5種類以上の点眼薬をささなければならない患者もいる。

「緑内障の点眼薬の合剤は、順序に混乱したり、間隔をあける手間を解消するメリットがあります。複数の点眼薬をひとつにまとめると効果が弱まってしまうのではないかと不安に思う患者さんもいますが、面倒だからとさし忘れたり、点眼そのものをやめてしまうよりプラスです。また、緑内障の点眼薬は過剰投与がいちばんの問題です。さしすぎると効果がどんどん弱まってしまいます。その点、合剤なら1滴さすだけで済むわけですから、患者さんにとっては大きなメリットですし、医療者側の心配も減らせるのです」(神崎氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…