続々登場の「合剤」 知っておきたい知識を専門家が解説
何種類かの薬の成分をひとつの薬に配合した「合剤」(配合剤)と呼ばれる薬がある。毎日たくさんの薬を飲んでいる人にとって、薬の数を減らせるのはありがたいが、他にもメリットはあるのか。
合剤は作用や効果が異なる薬をひとつにまとめているため、薬の投与量を調整することが難しい。病気が急性期で目まぐるしく変わる症状に応じて使う薬を変える場合には向いていない。また、いくつも病気を抱えている人は、病気によってNGな成分が配合されている合剤もあることから、必要な効果が得られなかったり、副作用を起こすリスクもある。
しかし、「薬の数が多すぎて飲む気をなくす」「それぞれ飲むタイミングが違うので、混乱してわからなくなってしまう」といった人にとっては、合剤を使うことで服用する薬の数を減らせるのはメリットといえる。
合剤には、降圧剤、コレステロール降下薬、血糖降下薬など慢性疾患の薬が多いが、中でも患者にとってメリットが大きいのは緑内障の治療に使われる点眼薬の合剤だという。岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏は言う。