胃がん予防だけにあらず ピロリ菌除菌を高齢者に勧める理由
「痛み止めや抗血栓薬を服用している人は、胃がん検診でピロリ菌の有無を調べてください。ピロリ菌陽性が判明したら、現在の治療を安全に継続するために、ピロリ菌の除菌治療を受けるべき」
消化管出血は、ピロリ菌除菌治療でなくても、PPI(プロトンポンプ阻害薬)でも抑制できる。ただ、飲み忘れなどを考えると、「除菌治療の方がいい。また、除菌治療にPPI服用を加えれば、より効果的に消化管出血を抑制できる」と内山院長が言う。
「胃痛の経験がほとんどない」「症状がない」といった理由から「ピロリ菌に感染していない」と考えている人もいるだろう。ピロリ菌は、感染していても自覚症状はゼロ。潰瘍ができれば胃痛などの症状があるが、潰瘍がずっとできない人もいる。
「ピロリ菌感染の胃粘膜への影響は、内視鏡検査(胃カメラ)でしか分かりません。胃がん検診でいきなり内視鏡検査を受けることに抵抗があるなら、ABC検診という簡単な検査を先に受ける手もあります」
ABC検診は血液検査で胃がんリスクをチェックするものだ。無料で行っている自治体もある。