発作のコントロールにはアレルギー性鼻炎治療も不可欠
近年、注目されているのが「oneairwayonedisease」という考え方です。直訳すれば、「一つの気道に一つの疾患」となります。
喘息は気管支の慢性的な炎症によって生じる病気です。
一方、鼻の慢性的な炎症による病気がアレルギー性鼻炎などです。鼻(上気道)と気管支(下気道)はつながっており、それぞれの炎症は血液中の細胞を介して相互に影響し合っています。
実際、喘息の患者さんの3分の2以上がアレルギー性鼻炎、花粉症、慢性副鼻腔炎を合併しています。
つまり、「oneairwayonedisease」は、上気道と下気道という同じ気道に起こるアレルギー性炎症を総合的にとらえて治療を行おうという概念になります。
一般的に喘息は呼吸器内科が診断・治療を行い、アレルギー性鼻炎などは耳鼻咽喉科が診断・治療を行っているのですが、これら2つの科が手を取り合って治療を行うところが増えています。
喘息の治療を一生懸命やっても、鼻の病気の治療が不十分であれば、喘息のコントロールはうまくいきません。逆もしかりです。