著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

湿布薬は剥がしてからでも光に当たると副作用の可能性が

公開日: 更新日:

 肌の露出が増えるこの時期になると、毎年注意喚起される副作用が「光線過敏症」です。いわゆる日焼けのような症状で、「モーラス」(ケトプロフェン)に代表される湿布薬によって起こることが知られています。薬局で湿布薬をもらう際に「日光には当たらないように注意してください」という説明を受けたことがある人もいるのではないでしょうか。

 湿布薬によるかぶれには大きく分けて2種類あり、ひとつは湿布薬を貼ることによる物理的な刺激によって引き起こされるもの。もうひとつが湿布薬を貼った後に光を浴びることで引き起こされるものです。

 光線過敏症は後者に当たり、光の中でも紫外線、とりわけUVAによって引き起こされます。ですから、光に当たらなければよいというよりは、UVAを防ぐ必要があります。日本では5~8月に紫外線が最も強くなりますので、この時期は注意が必要というわけです。

■妊婦の使用は実際はNG

「湿布薬を貼っている部分は恥ずかしいから露出しないでしょ」と思うかもしれません。しかし、光線過敏症は湿布薬を剥がした後に光を浴びても起こる可能性があるので注意が必要です。寝る前に湿布薬を貼り、外出する前に剥がしたような状況でも、貼っていた部分は光が当たらないように隠す必要があるのです。湿布薬を剥がしてから4週間程度は光は避けるべきとする報告もありますので、気を付けましょう。

 また、湿布薬に関しては「妊婦が使用しても大丈夫でしょうか?」という質問を多く受けます。「湿布薬くらいなら問題ない」と誤解されがちですが、実際はNGです。特に妊娠後期には胎児の血流に影響が出る可能性があり、「使用しないこと」とされています。湿布薬を侮ってはいけません。

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