“鉄人”衣笠氏は右側…大腸がんは発生部位で生存期間が違う
大腸がんで亡くなった人は昨年、約5万3000人で、肺がんに次いで2位。かかった人は約14万9500人でトップ。このところ急速に増えているがんです。
飲酒や肥満、運動不足がリスク因子で、食生活の欧米化が急増の大きな原因。いわば“生活習慣病のがん”です。メタボ対策が大腸がん予防に直結します。そういえば、今年4月に大腸がんで亡くなった広島カープの元内野手・衣笠祥雄さんは大の肉好きで、無類の酒好きと報じられました。生活習慣の偏りが、大腸がんに影響することがうかがえるでしょう。
そんな大腸がんについて、興味深い研究結果を紹介しましょう。大腸がんができる位置により、その後の生存期間が大きく異なるのです。結論からいうと、右側にできる大腸がんの方が、左側より悪性度が高い。
小腸からつらなる大腸は、右下腹部から始まって、時計回りにぐるりと回り、肛門につながります。長さは1.5~2メートルほど。スタート地点から順に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分けられます。右側は、盲腸と上行結腸、横行結腸の右3分の2で、左側は、横行結腸の左3分の1と下行結腸、S状結腸、直腸です。