中川恵一
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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

“鉄人”衣笠氏は右側…大腸がんは発生部位で生存期間が違う

公開日: 更新日:

 大腸がんで亡くなった人は昨年、約5万3000人で、肺がんに次いで2位。かかった人は約14万9500人でトップ。このところ急速に増えているがんです。

 飲酒や肥満運動不足がリスク因子で、食生活の欧米化が急増の大きな原因。いわば“生活習慣病のがん”です。メタボ対策が大腸がん予防に直結します。そういえば、今年4月に大腸がんで亡くなった広島カープの元内野手・衣笠祥雄さんは大の肉好きで、無類の酒好きと報じられました。生活習慣の偏りが、大腸がんに影響することがうかがえるでしょう。

 そんな大腸がんについて、興味深い研究結果を紹介しましょう。大腸がんができる位置により、その後の生存期間が大きく異なるのです。結論からいうと、右側にできる大腸がんの方が、左側より悪性度が高い。

 小腸からつらなる大腸は、右下腹部から始まって、時計回りにぐるりと回り、肛門につながります。長さは1.5~2メートルほど。スタート地点から順に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分けられます。右側は、盲腸と上行結腸、横行結腸の右3分の2で、左側は、横行結腸の左3分の1と下行結腸、S状結腸、直腸です。

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