一流科学雑誌も注目 リハビリ効果アップする初の化合物

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 このような化合物の特定ができたのも、同研究室がAMPA受容体のシナプス移行を生体内で調べる技術を確立しているからだ。

 ちなみに、2年前には、マウスを使った実験で脳の海馬に移行したAMPA受容体がトラウマ(恐怖記憶)の原因であることを突き止めている。そして、そのAMPA受容体だけを選択的に消去する技術の開発に成功している。 

 心の傷に起因した障害の新規治療法開発の糸口が期待される一方、脊髄にAMPA受容体が多く移行しているといわれている慢性疼痛の治療として応用できる可能性もあると考えているという。

「私の研究スタンスは『ヒューマン・バイオロジー(人の生物学)』と、それを根拠にした動物モデルを用いた研究の『融合研究』です。人への応用を考えていく中で、新しい病気の概念や新しい診断・治療の概念をつくっていきたいと思っています」

 AMPA受容体はタンパク質なので、薬の標的にもなり得る。目が離せない研究テーマだ。

▽1995年慶応義塾大学医学部卒。2000年米・エール大学大学院博士課程修了後、コールド・スプリング・ハーバー研究所(ポスドク)を経て、06年から現職。11年より放射線医学研究所・客員協力研究員を兼任。〈所属学会〉日本神経化学会、日本神経科学学会、日本生理学会など。

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