10分で1リットル処理 「難治性腹水」世界初の効果的治療法

公開日: 更新日:

松﨑圭祐院長 要 第2クリニック・腹水治療センター(東京・豊島区)

 がんや肝臓病などで、おなか(腹腔)に大量の体液がたまってしまう「腹水」。おなかがパンパンに膨れ臓器が圧迫されることで、強い膨満感や息苦しさ、食欲低下、便秘、尿量低下などに苦しめられる。特にがん性腹水では抗がん剤治療の中止につながり、がん終末期として医師に見放されてしまうことが多い。それは、現在のがん医療では「腹水を抜くと体が弱る」というのが常識で、打つ手がないからだ。

 しかし、その常識を覆し、世界で初めて難治性腹水の効果的な治療法(KM―CART)を生み出したのが松﨑圭祐院長(顔写真)。一般的に行われている単に腹水を抜くだけの処置(腹水ドレナージ)の限界をこう話す。

「腹水を大量に抜くと、腎不全やショックなどのリスクが高まります。それに腹水にはがん細胞や細菌などの“悪者”だけでなく、免疫に関わるグロブリンやアルブミンなど体を維持するのに必要不可欠な物質も大量に含まれています。少量でも繰り返し抜くと、これらの免疫物質や栄養が失われ、急速に体力が低下し、さらに腹水がたまりやすくなる悪循環を招くのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」