一緒に悩み頑張ってください それが医師の私の生き甲斐です
Aさんのがんは、この治療で統計上の生存期間の中央値は6カ月となっています。ですから、これから外れる方もたくさんおられるのです。6カ月たって元気だったら、1年たったらまた新しい治療薬が使えて、今度はそれからまた1年と言われ、また、また……。そうして私が担当した患者さんで、もう7年生きた人もいます。本当に治った人もいるのです。
中には予想よりも早く亡くなった患者さんもいますので、人の命は分かりません。Aさんの先のことは、誰にも分からないのです。人は必ずいつかは死ぬのですが、私は死の受容なんてする必要はないと思います。きっと、私自身もいざとなった時には死の受容なんてできないと思います。
ん? 雑誌に医師が書いたことですか? 禅の修行もしていないのに悟ったふりをしているだけです。いいんです。気にしなくていいんです。
人は生きたいのは当たり前です。当然です。生物はすべて生きたいのだと思います。それで生物(いきもの)なのです。最期まで希望を持って生きたいですよね。ですから、こうしてあなたは抗がん剤治療を受けているのではありませんか。