オプジーボでも話題 免疫チェックポイントが注目されるわけ

公開日: 更新日:

 例えば、PD―L1とPD―1には鍵と鍵穴のような関係がある。

 攻撃先の目印(抗原)を提示するT細胞は攻撃を始めてしばらくするとPD―L1という鍵を細胞表面に出現させる。

 一方、自己反応性のT細胞や過剰活性しているT細胞は、その表面に鍵穴となるPD―1という分子を出す。両者が結合すると免疫の働きにブレーキがかかる仕組みだ。

がん細胞はこの仕組みを利用して免疫細胞からの攻撃を逃れ、成長しているのです。つまり、T細胞が攻撃を仕掛けて、しばらくしてブレーキ役の鍵分子が出てくると同時に、がん細胞やその周りの間質細胞から鍵穴分子を多数出現させてT細胞のがん細胞への攻撃を中止させるのです」

 オプジーボは、そのシステムを阻害させて、免疫細胞によるがん細胞への攻撃を再開させる薬なのだ。もちろん、こうした働きは免疫が果たすほんの一部に過ぎない。

 免疫には異物を攻撃するT細胞の他に、NK細胞、樹状細胞などがあり、攻撃を抑制する制御性T細胞や骨髄由来免疫抑制細胞といった免疫抑制細胞がある。免疫抑制細胞に影響を及ぼす間質細胞も存在し、これらが複雑に絡み合い、がん細胞へ影響を与えているのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動