4月に国内初導入 AIが患者に最適なクスリの情報を提供

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「今回開発したAIには、いくつもあるクスリの名称や、臨床現場で使われている同じ意味の表現を同義語として教え込んでいます。また、正確なキーワードがなくても、AIには自然言語を認識して意図を読み取る能力があるので、医師から質問された言葉をそのまま入力してもAIが迅速に最適な回答を探し出してくれるようになりました」

 さらに、関連度の高い回答を提示したり、ガイドラインの治療アルゴリズムや薬剤の一覧表も見ることができる。AIが質問の意味を正確に認識できない場合は、AI自身が確信度を判断し、回答できないように設定されているという。

■薬剤師を補助して医療事故を未然に防ぐ

 AIの導入は、現場で働く薬剤師を補助してパワーアップさせる。

 それだけでなく患者にとってもメリットは大きい。

「医師が新薬やあまりなじみのないクスリを使う場合や、投与量や用法などを勘違いしたり度忘れしても、最適な回答が提供されます。そのため、患者さんに間違った情報が伝えられるケースが減るのは間違いないでしょう。近年、点滴や麻酔薬の投与ミスによる医療事故が起こっていますが、こうした事故は小さなミスが積み重なって発生するものです。AIの活用によって、そうした小さいミスが減ることは、患者さんの身を守ることにつながります」

 現在もさらなる改良が進められていて、音声認識による回答や、クスリの飲み合わせについての複数のQ&AをAIが自己学習して最適解を回答できるようなシステムを構築しているという。

 AIが本格的に医療分野で活用される時代は遠くない。

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