「別の病院で認知症と診断されて薬を飲んでいるが症状が進んでいる」と子どもに連れてこられた患者さんを実際に診察し検査をしてみると、認知症ではなくうつ病と判明したりする。そこで認知症ではなくうつ病の治療を施したところ、症状が飛躍的に改善したケースも多い。
高齢な親をもつ子どもは、とにかく「親がヘン」↓「ボケた」↓「認知症」という考え方を一度は疑ってみることだ。ろくに患者の顔も見ずに、マニュアル通りの検査だけで「はい、認知症ですね」と診断し処方箋を出しておしまいという医者には要注意だ。「認知症らしく思えても原因は違う」ということを忘れてはならない。