米国で急増…謎の「アルファ・ガルアレルギー」原因はダニ
年末年始は家族でおせちなど、おいしいものを囲んで過ごす人が多いと思いますが、食物アレルギーを持つ人にとっては厳しい季節でもあります。
中でもお肉がディナーの主役であることが多いアメリカ人の間で増えているのが、「アルファ・ガル(Alpha Gal)アレルギー」、通称「肉アレルギー」です。
牛や豚などの肉を食べたり、ウールなどの動物性繊維に触れただけで、かゆみや発疹、喉の腫れや呼吸困難など、アレルギー症状を引き起こすアレルギーが増加しているのです。ようやくアレルギーとして認知され始めたために、症例の報告が増えてきたと言ってもいいかもしれません。
この肉アレルギーは、ほかのピーナツアレルギー、小麦アレルギーなどと違って、食べてから数時間後にアレルギー症状が発生するため、アレルゲンとの因果関係がはっきりしにくく、長い間ミステリーでした。
判明した原因は、ダニ。アメリカ中部から南部にかけて多く存在するローン・スター・ティックと呼ばれるダニが、家畜などの動物の血を吸った後に人間を噛んだ場合、人間の体内にはもともと存在しない、アルファ・ガルと呼ばれる炭水化物を送り込みます。