日本人の失明原因4位「加齢黄斑変性」の知られざる深刻さ
「萎縮型には、治療法がありません。滲出型であれば、加齢黄斑変性の進行を遅らせる抗VEGF作用を持つ薬剤を眼球に注射する抗血管内皮増殖因子療法が、今の中心的治療です」
■最も重要な「予防」2つの方法
ただし、すでに障害された視力は戻らない。萎縮型はもちろん、滲出型であっても、最も重要なのは「予防」だ。
第1に、危険因子から遠ざかること。酸化ストレスにつながる喫煙、メタボリックシンドローム、生活習慣病、光に当たりすぎる……などを避ける。酸化ストレスが蓄積すると炎症が起こる、炎症が起こると酸化ストレスが蓄積するという悪循環が起こるので、これを断ち切る。
第2に、抗酸化サプリの継続摂取だ。やはり悪循環を断ち切ることにつながる。
アメリカの臨床試験で約4000人を集めて5年間、「プラセボ(偽薬)」「マルチビタミン」「亜鉛」「マルチビタミンと亜鉛」をそれぞれ摂取してもらい、各群を調べたところ、「マルチビタミンと亜鉛群」は「偽薬群」に比べて25%発症率が低かった。さらに別の約4000人に、マルチビタミンと亜鉛のほかにルテイン・ゼアキサンチンを加えたところ、加齢黄斑変性の発症率が18%低かった。