日本人の失明原因4位「加齢黄斑変性」の知られざる深刻さ

公開日: 更新日:

「萎縮型には、治療法がありません。滲出型であれば、加齢黄斑変性の進行を遅らせる抗VEGF作用を持つ薬剤を眼球に注射する抗血管内皮増殖因子療法が、今の中心的治療です」

■最も重要な「予防」2つの方法

 ただし、すでに障害された視力は戻らない。萎縮型はもちろん、滲出型であっても、最も重要なのは「予防」だ。

 第1に、危険因子から遠ざかること。酸化ストレスにつながる喫煙、メタボリックシンドローム、生活習慣病、光に当たりすぎる……などを避ける。酸化ストレスが蓄積すると炎症が起こる、炎症が起こると酸化ストレスが蓄積するという悪循環が起こるので、これを断ち切る。

 第2に、抗酸化サプリの継続摂取だ。やはり悪循環を断ち切ることにつながる。

 アメリカの臨床試験で約4000人を集めて5年間、「プラセボ(偽薬)」「マルチビタミン」「亜鉛」「マルチビタミンと亜鉛」をそれぞれ摂取してもらい、各群を調べたところ、「マルチビタミンと亜鉛群」は「偽薬群」に比べて25%発症率が低かった。さらに別の約4000人に、マルチビタミンと亜鉛のほかにルテイン・ゼアキサンチンを加えたところ、加齢黄斑変性の発症率が18%低かった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」